







発行:ふげん社/2018年
サイズ:A4 並製本/88ページ
写真:橋本とし子
企画・デザイン:長尾 敦子(BookPhotoPRESS)
印刷:渡辺美術印刷株式会社
メッセージブック付き
「キチム、キチム、キチムは よるに とぶ」
夢と現実が交錯する2歳の長女が、あるとき口ずさんだ。
キ、チ、ム。
耳慣れない響き。まるで呪文のようだ。
「きちむ」は「吉夢」。
「縁起の良い夢」「幸先の良い夢」という意味があることを後に知った。
この言葉を当時の彼女が知る由も無く、突然口にしたこの言葉が、
未来のお告げのように、朧げだけれど確かな明かりに見えた。
吉夢のイメージは、
毎日繰り返される日常、時に味わう非日常の断片をすくい続ける。
これまでもこれからも。
私は何を見るのだろう。
(作家テキストより)
「キチム、キチム、キチムは よるに とぶ」
と頭で何度も反芻しながらページをめくっていました。
娘とその日常を撮った写真は、どこか非日常で夢の中のように見えます。