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5/27 深夜のひとり言

色々億劫になりことごとく予定をこなせなかった日曜日。渋谷で20時に待ち合わせをしている前にできることを考え、恵比寿のkoma galleryへ。SNSでたまたま目にした『WOMB』メンバーの植田真紗美さんの個展「Two Pinholes in One」。ぐちゃっとした気持ちをあたためてくれるようなとてもいい展示だった。
「WOMB」は2013年に日本写真芸術専門学校の同窓生3人で結成したグループで、同人誌『WOMB』を刊行している。2号目からデザインを担当している武田さんはBOOKS f3のロゴをつくってくれた人であり、当時『WOMB』を紹介してくれた。だから高松でブックカフェをやっていたときから同誌は扱っていて、もちろん新潟でも販売していた。
高松でのお店とほぼ同時期に、同世代の女性たちがはじめた同人誌ということもあり、どことなく自分自身を重ねていたのかもしれない。そして、季刊誌(当時)として定期的に送られてくるそれに、とじ込められたエネルギーを勝手に受け取り、自分もまだ頑張れると、鼓舞されていたような気がする。たぶん思った以上に励まされていたのだと思う。
店を閉めてから一時期パタリと情報を絶っていた後遺症で、いまも圧倒的に情報へのアクセスが遅い。ギャラリーで手にした『WOMB』10th Aanniversary号は半年も前、2023年12月に刊行されていた。買った後すぐに入ったカフェでも帰りの電車でも読み耽ってしまった。このまっすぐな態度と葛藤しながらも向き合う姿勢、静かに熱量のある作品群……。私がなぜ『WOMB』に惹かれたのかが書かれている気がした。そして、10年経ったいまもそれぞの暮らしと向き合いながら制作を、発表を続ける彼女たちに、今日もまた励まされたのだ。久しく感じられていなかった懐かしい感情がわきあがる。そのことが無性に嬉しかった。
私はただ『WOMB』を売っていた元本屋で、植田さんに会ったのも今日が初めてだ。でもギャラリーを出た帰り道、植田さんの展示を数年後きっとしようとなんのためらいもなく思い浮かんだ。